油圧ディスクブレーキのデメリット?

ディスクブレーキは油圧のほうが良いというのは事実だと思います。実際にレバーの引きも軽く、少ない力で強大なストッピングパワーを発揮できます。また引きずるようなブレーキからロックするまでの繊細なコントロールがしやすい印象です。油圧という響きも素敵。

ただし全てにおいて油圧が機械式を上回っているわけではありません。

 

■ホイール固定時の調整がやや面倒です(QRの場合)。

QR固定の場合、ホイール脱着のたびにパッドとローターが擦ることがあります。QRの締め加減によって、わずかにキャリパーの位置が変動するからです。ほとんどの場合はわずかに擦る程度でパワーロスは無視できる程度ですが、気になる場合は、

 

「キャリパーを固定するボルトを緩めてブレーキレバーを握りながら再度キャリパー固定ボルトを締め付けるという手順で解消します」(ポストマウントの場合)

 

というのが教科書的な方法です。ハイグレードな部品であればこの方法で一発解消できる事もありますが、普及グレードパーツでは完全に解消しない事が多いです。機械式の場合はパッドの位置を左右単独に調整できるので調整は比較的容易ですが、油圧の場合はパッドの位置の調整ができないのでキャリパー位置等の微調整が必要です。これが面倒な作業と言えます。

ちなみにスルーアクスル固定タイプだと、この不具合はほとんど発生しません。ディスクブレーキの場合はスルーアクスルが優れているというのは間違い無いようです。安全性も高いですし。

但しレース等の一分一秒を争うような状況でのホイールの脱着はQR固定に分があります。

とは言えディスクローターをパッドの狭い隙間に収めるのは慎重さが求められる作業です。ロードキャリパーみたいにパッドの間隔をワンタッチで広げる機構があると良いんですけどね。機械式の場合はワンタッチでリリースできるワイヤーアジャスターで実現できそう。それでもちょっとだけ広がる程度ですけど…。

 

■補助ブレーキレバーが使えない。

構造上仕方がないのですが、油圧の場合は補助ブレーキレバーは装着できません。ポタリングやロングライド用途の場合はちょっと微妙な感じです。この場合は油圧を諦めるか画像のような商品(ワイヤーで引く油圧キャリパー)を使いましょう。

 

■輪行などで自転車をひっくり返すような場合はエアが混入しやすい

キャリパーがレバーよりも上になった状態でレバーを握るとエアが混入することがあるので輪行時は注意する必要があります。またホイールを外した状態ではパッドの隙間にパッドスペーサーの装着が必要です(ダンボール等でも代用可)。パッドスペーサーを装着せずにブレーキレバーを握ってしまうとピストンが押し出されたままになり、パッドが密着してしまいます。こうなったらマイナスドライバー等(専用ツールが望ましい)でこじってパッドの間隔を広げる必要があります。この際はパッドが傷がつかないように、また油分が付着しないように注意して下さい。

 

■メンテナンス時のオイル交換が面倒です。

ワイヤーの交換と比較するとかなり面倒な作業です。ブリーディングツールも用意する必要があります。ここはショップの領域と言えるかもしれません。

※当店でオイル交換を承っております。詳しくはスタッフまで。

 

また普及グレードのレバーではレバーの引き量を調節できない等のデメリットもありますが、

それでも個人的には油圧のメリットはデメリットを上回ると感じています。

皆様はいかがでしょうか?

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