ペダル交換について

今回は自転車メンテナンスで多くの方が途方に暮れるペダルの交換について書いてみます。

作業そのものは非常にシンプルなのですが、

ハマる原因は「ペダルが固すぎて外れなーーーい!」(某ルーペ風に)だと思います。

 

まず前提条件としておさらいですが、ペダルのネジは左右が違います。右側のペダルは正ネジ(時計回りで締まる)、左側のペダルは逆ネジ(反時計回りで締まる)になっています。ペダルの軸を車輪と見立てて前進方向で締まる、後進方向で緩むと覚えれば分かりやすいと思います。

長いペダルレンチの例(全長約350mm)。当店でも使用しています。
長いペダルレンチの例(全長約350mm)。当店でも使用しています。

 

工具は専用の工具を使用して下さい。モンキーレンチ等を使用すると6角部がなめてしまう事があります。そして専用工具も出来るだけ長いレンチを使用して下さい。六角レンチで固定するペダルも同様です。レンチに力をかける場合はネジ部から出来るだけ離れた場所に力をかけて下さい。離れるほどテコの原理で強大な力をかけられます。またチェーンはアウター側にかけておくと不慮の事故でも怪我しにくくなります。重要なのが軍手やグローブをはめてから作業をする事です。怪我をしにくくなりますし、怪我を恐れて無意識に力を弱めることも回避できます。緩める場合は反対側のクランクをしっかりホールドしながらゆっくりレンチに力を加えます。

 

まぁこれで外れれば問題無しなのですが、ネジが固着して全く緩まない場合が往々にして存在します。

ペダルが固着するのはネジにグリスを塗らずにペダルを取り付けた場合がほとんどですが、まれにグリスを塗っていた場合でも超固着する場合もあります。

 このような場合はまずネジ部にオイルスプレーを染み込ませてしばらく放置してから再チャレンジします。これは非常に重要です。完全に染み込むのにかなり時間がかかる場合もあるのであきらめずにチャレンジしてみて下さい。

 

■それでも外れなーーい場合は…

荒療治になりますが、パイプ等でレンチを延長してパワーアップさせます。ただしこれは工具メーカーが禁止している方法です。レンチやパイプの破損等で怪我する可能性が高くなるので作業には十分注意して下さい。またレンチをかけた状態でハンマーなどでレンチを叩いてネジ部に衝撃を与えると緩む場合もあります。これでもダメな場合は、クランクを外してペダル部を踏みつけながら体全体を使ってレンチを回します。

 

いずれもネジがなめてしまった場合は外すのが困難になります。特に安価なペダルほどなめやすい印象です。また最後になりましたが作業に無理は禁物です。大怪我をしてしまっては元も子もありません。

当店ではペダル交換も承っております。ペダルが外れない場合も自転車をお持ち下さいませ(どうしても外れない場合もございます。予めご了承下さいませ)