新YPJ

先日、ヤマハの電動アシストスポーツ車 YPJの発表会に行ってきました。

ヤマハではすでにYPJ-R(ロードタイプ)とYPJ-C(クロスバイクタイプ)の2種がラインアップされていましたが、今回の新YPJは待望のMTBタイプとツーリングタイプもラインアップされています。

ロードタイプ、クロスバイクタイプもすべてフレーム新設計となりました。

YPJ-XC
YPJ-XC
YPJ-EC(サイドスタンドは別売です)
YPJ-EC(サイドスタンドは別売です)
YPJ-ER(写真撮り忘れました)
YPJ-ER(写真撮り忘れました)
YPJ-TC(パニアバックは別売です)
YPJ-TC(パニアバックは別売です)

・YPJ-XC(MTB) メーカー価格:378,000円(税込) 21.2Kg(Mサイズ)

待望のMTBタイプです。このモデルのみ小型でパワーとレスポンスがアップした新型のパワーユニットが装備されています。アシストモードもハイモードよりもアシスト力の強いエクストラパワーモードが選択可能です。メインコンポはシマノSLX(11スピード)、油圧ディスクブレーキ、フロントサスはROCKSHOX RECON GOLD(120mmトラベル リモートロックアウト付き)と第一号ながら、かなり気合の入った仕様ですね。

 

YPJ-ER(ロード) メーカー価格:345,600円(税込) 19.6Kg(Mサイズ)

新型のロードタイプです。前後油圧ディスクブレーキ、

標準で700x35Cタイヤ装備となっており、エンデュランスやツーリングを意識した仕様になっています。

旧モデルの「いわゆる」ロードバイクを意識した仕様とはかなり方向性が異なってると感じます。

メインコンポはTiagra 20スピード、油圧ディスクブレーキです。

バッテリー供給式の明るいランプ付き

 

・YPJ-EC(クロスバイク) メーカー価格:280,800円(税込) 19.8Kg(Mサイズ)

新型のクロスバイクタイプです。前後メカニカルディスクブレーキでタイヤは700x35C。

SORAコンポ18スピード仕様です。ベーシックモデルの位置づけですがスルーアクスル&ディスクブレーキ仕様など充実の装備。これが一番の売れ筋となりそうです。

バッテリー供給式の明るいランプ付き

 

・YPJ-TC(ツーリングモデル) メーカー価格:324,000円(税込) 22.6Kg(Mサイズ)

フロントサス、テールライト付きリアキャリア、前後フェンダー付きのツーリング仕様モデルです。サイドスタンドも標準装備。前後油圧ディスクブレーキ。700x35Cタイヤ。

SORAコンポ 18スピード仕様です。バッテリー供給式の明るいランプ付き

実は試乗して一番気に入ったのがコレです。見るからに重そうですが電動アシストにより走りは軽快です。電動だと向かい風でも疲労を軽減して快適にツーリングができるのはすごく魅力です。

小型になったディスプレイ。YAMAHAロゴの上のLED色がアシストモードによって変わります。
小型になったディスプレイ。YAMAHAロゴの上のLED色がアシストモードによって変わります。
新型コントロールスイッチです。
新型コントロールスイッチです。
新型充電器は大きめです。
新型充電器は大きめです。

旧モデルとの主な違いは…

・バッテリー容量が大幅アップ

旧モデルでは25.2V 2.4Ahだったのが36V 13.3Ahに大幅パワーアップしました。

実際の走行距離も強アシストのハイモードでも1充電あたり約90Km(旧モデルは約14Km)、エコモードでは約150Km(旧モデルでは約48Km)走行可能。新しく追加されたエコプラスモードでは、なんと約220~242Kmも走行可能です。

これならヤビツ峠も自走で行けるかも。行動距離が大幅に広がりますね。

 

・前後ディスクブレーキ化(しかもスルーアクスル!)

旧モデルでは前後ロードキャリパータイプだったのがディスクブレーキになりました。しかも流行のスルーアクスル仕様です。クロスバイクタイプのみ機械式でその他は油圧式となっています。雨や風などの悪コンディションほど実力を発揮する電動アシストだからこそ安定した制動力のディスクブレーキは相性抜群だと思います。

 

・ディスプレイとコントローラーが新型となった

新型ではアシストモードが分かりやすいLED付きの小型の液晶ディスプレイになりました。操作部はハンドルに移動しています。ハンドルから手を離さずに操作できるのですごく使いやすくなりました。

新型ではアシストモードによってLEDの色が変わるので小型液晶ながら必要情報は分かりやすくなっています。旧モデルでは大型液晶のため視認性が高かったのでどちらが良いか微妙なところですが個人的には新型のほうがハンドル付近の場所を取らないためスマホなどをマウントしやすくなったのが良いと思います。欲を言えば切替時に音が鳴ってアシストモードを判別できるとさらに良かったかな?

 

フレームサイズが3種類に増えました

旧モデルではサイズ展開が2種類だったのが3種類に増えました。これは地味ながら大きな進化です。ヤマハの企業努力を感じます。

 

・ドライブユニットは同一?

ドライブユニットはMTB以外は旧モデルと同一モーターをアシストの味付けを変えて使用していますがバッテリーの容量がアップしているため強アシストモードを常用できるので実質パワーアップといえると思います。

 

・重量は?

バッテリーの大容量化に伴い車重は4Kgほど重くなっています。これはやむを得ない部分ですね。アシストが働くと重量増は全く感じませんし。

 

・価格は?

YPJ-R(旧モデル)はメーカー価格248,400円(税込)に対してYPJ-ERはメーカー価格345,600円(税込)とかなり価格がアップしました。ただしバッテリーの大容量化と油圧ディスク化しているため価格差はそれほど大きくないと思います。コンポが105からTiagraになったのは残念ですが…。逆にYPJ-XC(MTB)は仕様を考えると戦略的プライスかな?と思います。

 

 

ちなみにヤマハでは旧モデルは爽快な巡行用、新型はゆったり長距離というコンセプトになっているようです。新型になり重量が4Kgほど増加しているため、軽快な走行感やバッテリー切れ時の走りの軽さは旧モデルに分があると思います。実際に比較試乗したのですが、アシストパワー感は新旧ともに大きな差は無いはずですが、スルーアクスルによりフレームの剛性が高くなっているためか踏み込んだ時の加速感は新型のほうがパワーを感じます。バッテリー切れ時の走行では旧モデルのほうが軽いですが、新モデルは大容量バッテリーのため、なかなかバッテリー切れにならないので比較にならないかもしれません。今回の新製品はやはりバッテリーの容量アップが最大のトピックだと思います。これによって今までの電動アシスト付き自転車というよりも電動自転車的な乗り方に変わっていくと感じます。

まさにEバイク元年にふさわしい新モデルだと思います。