ねじねじ様からのご質問
質問:ディレーラーの調整ねじは何故+ねじを使っているのでしょうか。
たしかに、一般的なスポーツタイプの自転車に使用されるねじ類は六角レンチを使用する「六角穴付ボルト」がほとんどで、+ドライバーを使用するネジはごく一部でしかありません。
では+ドライバーを使用するねじは何があるか。フロントディレーラー・リアディレーラーのアジャストボルトのほかに、ブレーキキャリパーのアジャストボルト、ブレーキシューの脱落防止ねじ、STIレバーのプレート固定ねじ、ベルやリフレクターの取り付けねじ、バーエンドプラグの固定ねじ、クロモリフレームのリアエンド調整ねじ、といったところでしょうか。
これらの共通点は、「強い固定力が必要でない」ということと「比較的小さいねじである」ということがあげられます。また「調整のためのアジャストボルト」である場合が多いですね。
六角穴付ボルトのほうがトルクをかけられるので固定力が必要な箇所は当然こちらを使います。小さいねじの場合は2.5mm以下の六角穴だと差し込み穴をナメやすいので、プラスねじの方が都合がいいのだと思います。あとはコスト的にもプラスねじの方が安く手に入るというのも要因の一つでしょう。
話は変わりますが、実際にこのアジャストボルトの役割をきちんと理解していない人が多いように思います。「変速調整を自己流でやってみました」という人のほとんどはこのアジャストボルトの調整を間違えています。このネジはディレーラーの可動域を決めています。可動域が広すぎるとチェーンは脱落してしまうし、狭いと端のギアまで変速しにくくなります。組み付け時にしっかり調整しておけば、リアエンドが曲がったり、フロンとディレーラーの取り付け位置に変更がない限りはこの可動域は変わません。なので基本的には触る必要がありません。でも、わかりやすい位置にあって+ドライバーで簡単にまわせるから、つい手を出してしまうのでしょう。
ここの調整が狂っていると、チェーンが脱落して最悪の場合はホイールに巻き込むなどのトラブルが起こりうるので、仕組みを理解しないでむやみに弄るのはやめたほうがいいです。
答え:ナメられたくないからです。
text■塚田
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