アンチドーピング

 

 あまり自転車競技に詳しくない方にとってはロードレースはドーピングばっかりで悪いイメージをもっているかもしれません。実際に自転車競技は長い歴史があり、ドーピング問題も古くからあります。1886年ボルドー-パリ間の600km自転車レースにおいて、近代スポーツ初のドーピングが原因の死者を出しました。また、ドーピングによる近代オリンピック初の死者も1960年のローマオリンピックの自転車競技でした。とりわけ自転車競技だけがドーピングが多いというわけではないが、初の死者が出たと言うことで悪い印象がついてしまうものです。

 さらに記憶に新しいところでは、2012年にランス・アームストロングは全米反ドーピング機関(USADA)により、ツール・ド・フランスの7連覇を含む1998年8月1日以降の全タイトルの剥奪と全ての自転車競技からの永久追放の処分を科されるという大スキャンダルがありました。

 

 実際のところは、暗い歴史があるのは確かですがスポーツ界全体からすれば、ロードレースはドーピングに対して最も厳しい競技の一つだと思います。そして今や、スポーツ界において最もクリーンな競技の一つだと言えます。それでもまだまだ根深いものがあります。問題視されているのは、自転車競技が肉体的・精神的に過酷な競技であるがゆえ、選手の生命にかかわる危険性があるということと、ドーピングによって得られる効果が他の競技よりも大きいのではないかということです。

 これは過去の例によってもあきらかで、ドーピングが発覚した選手の多くは他を圧倒する強さで勝利していました。今は亡きマルコ・パンターニが持つツール・ド・フランスでのラルプ・デュエズの登坂記録(1997)は未だ破られていません。クロモリやアルミのフレームに8速コンポという時代ですよ。(ちなみに歴代記録の1位~5位はパンターニとアームストロングの二人によって占められている)

 

 ではいっそのことドーピングを解禁してしまってはどうか。選手はスポンサーが供給する機材の如くシーズンごとに使い捨てられ、毎年何人もが命を落とすことでしょう。自転車メーカーはフレームの開発をあきらめ、より効能の優れた新薬の開発競争が激化します。製薬会社は大儲けです。もちろん、スポンサーはみな製薬会社です。そんなの誰も見たくないし、誰も選手になんかなりたくないですね。

 

 これからはプロスポーツやオリンピックだけでなく、アマチュア競技でもドーピングに対するチェックが厳しくなってきていますので、その競技の価値やスポーツ精神を守る意味でもドーピング問題は無くなっていって欲しいです。

 

 結局のところ、速くなりたければ練習あるのみ(あと機材投資も!)、というわけで次回サイクリング会は朝練(インターバルトレーニング)やります。

 

text■塚田

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コメント: 2
  • #1

    とんぼ (木曜日, 23 10月 2014 05:47)

    次回はインターバルトレーニングだそうで、是非参加させていただきたいです。

    その前日は「サイクルチャレンジカップ藤沢」ですね。参加される方いるのかな?僕は観戦に行く予定です。

  • #2

    サガミサイクル塚田 (木曜日, 23 10月 2014 12:06)

    とんぼ様
    参加申込みありがとうございます。

    私もこっそり観戦しにいこうと思います。