王座陥落

 ドーピング疑惑のあったサクソバンクのアルベルト・コンタドールに有罪判決が下され、2年間の競技出場停止および、2010年の1月以降に獲得したタイトルの全てを剥奪という処分が決定した。2010年のツール・ド・フランスの総合優勝と2011年のジロ・デ・イタリアの総合優勝も剥奪されることになる。ということは、2010年ツールの勝者は繰り上げでアンディ・シュレックになるのだろうか。ツール総合優勝者のタイトル剥奪は2006年のフロイド・ランディス(当時フォナック)以来となる。

 自転車競技=ドーピング、という悪いイメージがどうも拭いきれない。あれだけ苛酷な環境を走り続ける選手たちは確かに超人的だが、その走りを支えるものが禁止薬物であってはならない。禁止されたことはしない、というのがルールなので、スポーツである以上ルールは守らなくてはならない。ただちょっと騒ぎすぎじゃないかとも思う。このままだと活躍した選手がみんな「アイツは薬やってるから強いんだ」って疑いの目で見られてしまいかねない。実際、他の競技と比べても基準がかなり厳しい気がする。容認するつもりもないが、なんとかうまいこといかないものか。

 

text■塚田